今回は、クリアコードで利用している中小企業倒産防止共済という制度について紹介します。中小企業倒産防止共済は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が提供している制度です。
機構のサイトでは、この制度について次のように紹介しています。
「貴方の会社が健全経営でも「取引先の倒産」という事態はいつ起こるかわかりません。経営セーフティ共済(正式名称:中小企業倒産防止共済制度)は、そのような不測の事態に直面された中小企業の皆様に迅速に資金をお貸しする共済制度です」
以下、簡単な制度の概要です。
クリアコードにおいて、倒産防止共済制度は2つの役割を果たしています。 ひとつは取引先が倒産し、売掛金の回収が困難となったときに、資金の融資を受け、連鎖倒産を回避する役割です。 もうひとつは掛金を積み立てることによる節税です。
では、それぞれの役割について説明します。
取引先が倒産し、代金が回収できなくなると、代金の回収を見込んで立てられた資金繰り計画を見直す必要がでてきます。回収不能となった代金が多額であれば資金繰り計画への影響も大きく、借入などの手段によって資金を調達しなければなりません。
しかし、回収不能となった代金は損益計算書上では損失となり、赤字を計上することになります。赤字額が大きければ財務内容が悪化し、金融機関から融資を受けるのは難しくなるでしょう。資金調達の手段が断たれれば、場合によっては連鎖倒産という事態に陥ります。
このような事態を回避するための手段が中小企業倒産防止共済制度の共済金の貸付です。制度に加入して6ヶ月以上が経過していれば、回収不能となった代金と掛金総額の10倍のいずれか低い方の金額を上限として融資を受けることができます。例えば掛金総額が80万円の時に、1000万円が回収不能となった場合、800万円の融資が受けられます。連鎖倒産を防ぐという目的において、非常に有効な制度です。
中小企業倒産防止共済制度の掛金は、税法上の損金に計上することができます。しかし解約した場合は、解約手当金として掛金(一定の条件を満たせば掛金総額が満額)が戻ってきます。
また、掛金は前払が可能で、1年以内の前払分はその期の損金として認められます。そのため、毎月の掛金を20万円とした場合、最大で20万円*11ヶ月+240万円=460万円を損金計上することができます。
将来に備えて利益準備金を蓄えていくことは大切です。しかしそのためには一定の利益を計上し、法人税を納めたうえで、利益準備金を増やしていかなければなりません。効率的に利益を蓄え、いざというときに備えるということであれば、中小企業倒産防止共済制度もひとつの魅力的な選択肢となるのではないでしょうか。
※倒産防止共済掛金を保険積立金として資産計上することによって、利益を確保した上で、節税する方法もあるようです。経理処理については税理士事務所等にご確認ください。
正社員転換制度に引き続き、均衡待遇・正社員化推進奨励金の導入について紹介します。今回は「健康診断制度」の導入についてです。
健康診断制度の奨励金は労働安全衛生法で健康診断が義務付けられている「常時雇用する労働者」に該当しないパートタイム労働者・有期契約労働者を対象とした健康診断制度を定め、実施するものに対して支給されるものです。制度を導入し、2年以内に延べ4人以上に健康診断を実施すると40万円が支給されます。
クリアコードでは、制度導入にあたりパートタイム用就業規則に、健康診断制度として以下の条項を追加しました。
健康診断制度
第X条(健康診断)
会社は次の要件を満たすパートタイマーに対して、健康診断を実施する。
(ア)常時雇用する労働者に該当し、安全衛生法で健康診断の実施が義務付けられているパートタイマーに対して雇入時健康診断および定期健康診断を実施する。
(イ)前項の常時雇用する労働者に該当しないパートタイマーのうち以下の条件のいずれかあるいはすべてを満たすパートタイマーに対して定期健康診断を実施する。
- 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満であるもの。
- 雇用契約の更新により1年以上雇用されている、または雇用されることが見込まれるもの。
健康診断の費用は会社が負担する。
以上が健康診断制度の条項です。
ポイントは(イ)のところで、安衛法で健康診断が義務付けられていないパートタイマーのうち健康診断の対象となるものの条件を明記しています。
この条文についても、東京労働局の雇用均等室のアドバイスをもとに制定したものです。参考にされる際は、契約されている社会保険労務士の先生などにご確認ください。
クリアコードではここ数年アルバイトの方にも活躍していただいています。健全なコードを書くためには健康な体が必要と考えており、アルバイトも含め全社員が健康診断を受けることにしました。
クリアコードは、開発者と営業、人事、経理、総務・・・と幅広い業務を担当するもの1名で運営しています。 会社設立から5年以上が経過し、会社運営においても様々な経験をしてきましたので、今後は、技術ネタだけでなく会社運営に関する話題も発信していく方針です。 今回はクリアコードにおける助成金の活用について紹介します。
クリアコードではこれまでいくつかの助成制度を活用してきました。 現在は「均衡待遇・正社員化推進奨励金」という制度を活用しようと、就業規則の整備などを進めているところです。
この「均衡待遇・正社員化推進奨励金」はパートタイム労働者や有期契約労働者の雇用管理の改善を図るため、正社員への転換制度や正社員と共通の処遇制度などを設け、実際に制度を適用した事業主に対して支給する奨励金です。
奨励金には次の5種類があります
このうち、正社員転換制度と健康診断制度を導入し、奨励金制度を活用しようと考えています。
まず、正社員転換制度の奨励金では、新たに転換制度を導入し、その雇用するパートタイム労働者を1人以上正社員に転換させると中小企業の場合40万円が支給されます。また2人目以降は1人あたり20万円が支給されます。
この奨励金を受けるにあたって壁となりそうなのが「正社員転換制度」の導入です。 正社員転換制度の導入では、まず正社員転換制度を作成し、それを労働協約または就業規則に明文化する必要があります。もちろん改定後の就業規則は労働基準監督署に届け出なければなりません。
クリアコードでは、東京労働局の雇用均等室(九段)でいただいたアドバイスをもとに、就業規則に正社員転換制度を定めました。参考までに正社員転換制度の条項を紹介します。
正社員転換制度
第X1条(総則)
この規定はパートタイマーの正社員転換制度について定めたものである。
第X2条(転換の条件)
正社員に転換することのできるパートタイマーは、本人が転換を希望し、かつ転換試験に合格した者とする。
第X3条(転換試験の受験資格)
正社員転換試験の受験資格は以下の各号のすべてを満たした者に与える。
(ア)勤続6ヶ月以上であること
(イ)フルタイム勤務できること
(ウ)心身ともに健康であり、職務に対する意欲があること
(エ)全国各地への転居を伴う異動を受け入れることができること
(オ)直属上司の推薦があること第X4条(正社員転換試験)
正社員転換試験の内容は以下の通りとする。
(ア)業務知識に関する筆記試験またはプログラミング試験
(イ)人事担当者、直属上司、役員による面接試験第X5条(申請の受付)
正社員への転換申請は毎年3月、6月、9月、12月の1日から5日に受け付ける。
正社員への転換を希望するパートタイマーは、この期間に転換の申請を人事担当者に行なう。
第X6条(審査、試験の実施)
1.正社員への転換申請があったとき、会社は第34条に定める要件を満たしているか否かを審査し、適格者に対して申請月の翌月末日までに転換試験を行なう。
2.試験の合否は、同月中に書面あるいは口頭により本人に通知する。第X7条(辞令)
正社員への転換を認めたパートタイマーに対しては、試験合格が通知された翌月1日付で社員採用辞令を発令する。
第X8条(労働条件)
1.正社員に転換した者の労働時間・休日・休暇その他の労働条件は、正社員就業規則に定めるところによる。
2.年次有給休暇の勤続年数の算定においては、パートタイマー中の勤続年数を通算する。
以上が正社員転換制度についての条項です。
アルバイトから正社員になる方がいたり、今後アルバイトから正社員に登用したいと考えている会社では導入を検討されてはいかがでしょうか。
補足ですが、クリアコードが正社員転換制度を導入する理由についても紹介しておきます。
クリアコードの採用活動は人材紹介会社や公共職業安定所を活用しておらず、社員を通じてか、Webサイトの採用ページからの問合せのいずれかの方法で「プログラミングが好きであること」を満たした方にご応募いただいています。
この「プログラミングが好きであること」という採用条件は一定レベルのプログラミングスキルを求めているわけではなく、「プログラミングを仕事にしてやっていきたいという気持ち」を確かめるようなものです。なので、プログラマーとして仕事をした経験がなくてもOKです。
採用にあたってはプログラミングの能力やセンスはもちろん重要な選考基準となりますが、目の輝き(やる気)、コミュニケーション能力、社会人として仕事への考え方がしっかりしているかなど、プログラミング以外の能力にも注目します。
後者を重視した場合、プログラミングスキルが未熟であるがプログラマーとして採用するという現象が発生します。 この場合、採用時点では採用する側もされる側もプログラマーとしてやっていけるのか、またプログラマーとしてのスキルをどこまで伸ばすことができるのかわからない状態です。 そのため、一定のスキルを身につけるまではパートタイマーとして採用し、プログラミングスキルの習得にあてることにしています。
一般的には試用期間を設定した上で正社員として採用するケースが多いようですが、試用期間で切るというのは労使ともに厳しい決断になってしまうので、パートタイマーと正社員という大きな違いを設定しておいたほうが、会社としても採用しやすいという考え方もできるでしょう。
このような採用プロセス(パートタイマーから正社員へ)がちょうど正社員転換制度にあてはまることから、導入に至ったわけです。
次回は、健康診断制度の導入について紹介します。