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FedoraプロジェクトのGroongaパッケージを一緒にメンテナンスしてみませんか?

はじめに

オープンソースのカラムストア機能付き全文検索エンジンに、Groongaがあります。Groongaを使うと全文検索機能付き高性能アプリケーションを開発することができます。

Groongaでは各種ディストリビューション1向けにパッケージを提供しています。そのため、比較的簡単にインストールできるようになっています。 ただし、パッケージをインストールするのに、あらかじめ独自に提供しているリポジトリを登録しないといけないのがちょっと面倒です。できれば、それぞれのディストリビューションの公式リポジトリからインストールできると余計な作業が必要ないので便利ですね。

上記の理由から、現在GroongaのFedora向けのパッケージはFedora公式リポジトリでパッケージをリリースしています。今回はそのパッケージの共同メンテナの募集のお知らせです。

募集の背景について

Groongaは3.0.3から、groonga-normalizer-mysqlは1.0.5から独自に用意したリポジトリ2ではなく、Fedora公式のリポジトリからインストールできるようになっています。

ただし、Groongaのほうはメンテナが2人、groonga-normalizer-mysqlについては1人といった具合で、少人数でパッケージをメンテナンスしている状態です。 現在のところ、ただちにリリースに支障がでているわけではありません。しかし、継続的なメンテナンスをしていく上では複数人でメンテナンスしていく体制を整えるのが望ましいため、今回手伝ってくれる共同メンテナ(co-maintainer)を募集することにしました。

どんな人を募集していますか?

共同メンテナに必要な条件は次の通りです。

  • RPMのspecに手を入れてパッケージをビルドしたことがある人(必須)
  • 毎月肉の日(29日)以降に新規リリースに追従するための作業時間がとれる人(必須)
  • Gitを使ったことがある人

最初の条件は必須です。さすがにRPMについてまったく知らないというのでは難しいので、最低限RPMのビルドをしたことがあるくらいの知識は必要です。また二つ目の肉の日以降に作業時間がとれるというのも必須です。三つめのGitについては、定型的な更新の手順があるので、それをなぞりながら覚えるというので構いません。

共同メンテナのお仕事について

実際にどんなことをすればいいのかというのが気になっていることでしょう。 具体的な手順については過去のククログにFedoraプロジェクトでパッケージを更新するにはという記事としてまとめました。ざっくりと紹介すると以下の通りです。

  • 新規リリースを取り込む(ソースアーカイブをアップロード)
  • SRPMを作成する
  • ビルドチェックする
  • 修正内容(spec等)をコミットする
  • パッケージをビルドする(f20,f19を対象にする)
  • パッケージをアップデートする(testingリポジトリに入れる)
  • パッケージをリリースする(testingリポジトリからstableに入れる)

共同メンテナになるには

共同メンテナの仕事がわかったところで、そもそも共同メンテナになるにはどうすればいいのでしょうか。そのためには次のステップを踏む必要があります。 各ステップの具体的な内容については、以前ククログにまとめたFedoraプロジェクトで新規パッケージをリリースする方法という記事を参照してください。

まずすべきは、必要なアカウントの作成や基本的な設定です。以下を行ってください。

  • Bugzillaにアカウントを作成する
  • FAS(Fedora Account System)にアカウントを作成する
  • CLA(Contributors License Agreement)へ同意する
  • リポジトリへアクセスする公開鍵をFASアカウントに登録する

ここまでできたら、FASアカウントを教えてください。あなたのFASアカウントをパッケージのメンテナンスに必要な'packagers'グループに入れてもらう必要があるためです。 教えてもらったFASアカウントでproxy-sponsorshipのリクエストチケットをpackager-sponsorsに作成します。このチケットの作成はこちらで実施します。 これは、「メンターとして新規参入者の面倒をみるので、スポンサーになって協力してくれる人はいませんか?」というスポンサー(packagersに追加する権限を持っている)を募集するお約束になっています。 スポンサーがついて、'packagers'グループに入れてもらえるまでしばらく待ちましょう。

'packagers'入りしたかどうかは次のページで確認することができます。

https://admin.fedoraproject.org/pkgdb/packager/(FASアカウント名)/

スポンサーがついて'packagers'グループ入りしたら、次はコミット権限を取得します。FASアカウントにログインして次のページにアクセスしてください。

それぞれ'Request Commit Access'というボタンがあるのでクリックしてください。あとはリクエストが承認されるまで待ちましょう。 承認されると、パッケージのCommitter(s)欄にあなたのFASアカウントがリストアップされているはずです。

ここまでくると、あなたもパッケージの共同メンテナです。ちょうど肉の日(毎月29日)なのでGroonga 4.0.5がまもなくリリースされるはずです。すぐに応募があれば今回のリリースから、なければ次回以降のリリースから実際にアップデートをやってみましょう。

応募方法について

共同メンテナになってみよう、と思ったらまずはGroongaに関するメーリングリストであるgroonga-devに登録しておいてください。

それから参加の意思を以下のいずれかの方法で表明してください。

  • @groonga宛に参加したい旨のツイートをする
  • groonga-devの共同メンテナ募集の投稿に参加したい旨の返信をする(あとで募集の投稿をします)

まとめ

今回はFedoraプロジェクトでリリースしているGroongaパッケージを一緒にメンテナンスしませんかというお誘いでした。共同メンテナになることで、よりRPMのパッケージングに対する知識を深めることができます。ソースアーカイブしか提供されていなくて、残念に思ったソフトウェアがあるという経験をしたことはありませんか?パッケージングに対する知識を深めることで、そういったソフトウェアのお手伝いができるようになるかも知れません。

  1. 主要なディストリビューションであるDebian/Ubuntu/CentOS/Fedoraを対象としています。

  2. それまではFedoraのパッケージをpackages.groonga.orgでリリースしていた。