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OSS開発に参加する人を増やす取り組み「OSS Gate」を開始

クリアコードは去年からSEゼミという企画に協力していました。SEゼミというのは技術的なテーマを軸にして工学系の学生と企業を結びつける就職支援系の企画です。(明示的にそう書かれているページを見つけられませんでしたが、そんなに間違っていないはず。)

去年はリーダブルコードというテーマで協力し、今年はOSSというテーマで協力しました。運営のSEプラスさんは、クリアコードが提案した(チャレンジングな)内容を最大限に活かしてくれました。幸い、参加してくれた学生の方にも企業の方にも楽しんでもらえたようです。クリアコードとしても非常に学ぶことが多いステキな機会でした。ただ、残念ながらお金の面でSEゼミを継続することはできないことが決まりました。

事業としては継続できないのですが、今年のSEゼミで得られた次の知見を活かして「OSS開発に参加する人を増やす取り組み」を始めます。

  • OSS開発に未参加の人は参加方法がわからないだけであり、参加方法がわかればOSS開発に参加できる

この取り組みを「OSS Gate」と名づけました。

OSS Gateについて

「Gate」は「入り口」という意味で使いました。OSS開発に参加する最初の一歩を支援する取り組みとして「入り口」というイメージがしっくりきたからです。

OSS開発に未参加の人が試しに参加してみて「それで終わり」ではなく、試しに参加したあとも「継続して参加する」。入り口を抜けた後にも道は続いています。抜けた後も進んでいける、そんな入り口を用意したいのです。

今年のSEゼミで学んだことはたくさんありましたが、OSS Gateを始めるにあたり特に突き刺さったことは次の2つです。

  • 事前準備を手伝ってあげればあとは自分でOSSの開発に参加できる

  • OSSの開発に関して伝える大事なことは「楽しむ」だけでよい

細かいことはSEゼミ2015のコンテンツ作成と進行をしてわかったこと #sezemiにまとめていますが、ざっくりまとめると次の通りです。

OSSの開発に参加していない理由は漠然とした不安があるから。やり方を教えて、実際にやってみてもらえばその不安は解消できる。 OSSの開発は些細なことから華やかなことまでたくさんあって、華やかなことばかり注目しがちだけど、些細なことにも目を向けることを伝えよう。typoの修正だって開発に参加する1つの形。小さなことの積み重ねでOSSはよくなっていくんだから参加内容が華やかなことばかりじゃなくても気にしない。それがわかれば楽しく開発に参加できる。 楽しもう。楽しんでやっていれば継続して小さなことを積み重ねていける。気づいたらすごいところに到達しているはず。数日でもそうだったんだから、もっと継続すればもっと先に行ける。

SEゼミの対象者は大学生・大学院生でしたが、大学生・大学院生に限らず、中高生でも社会人でもだれでも、漠然とした不安があってOSS開発に参加できていない人たちの最初の一歩を支援しその先を示す、入り口となる場を提供したい。その結果、楽しくOSS開発に参加する人が増えた世界が待っているとうれしい、という取り組みがOSS Gateです。

OSS Gateの進め方で大事にすること

OSSの開発では手を動かさずに口だけ動かしていてもなかなか状況は変わりません。そのため、OSS Gateも口だけではなく手も動かすことを大事にします。

手を動かすことも大事なことですがもう1つ大事なことがあります。それは継続することです。一発大きな花火を打ち上げて終わりではなく、最初の一歩を踏み出そうとする人を継続して迎え入れ、送り出す。そんな「門」のような場を提供することで、OSS開発に参加する人をより多く増やせるのではないか。それが継続することを大事にする理由です。なにより、OSSの開発も継続することが大事なことが多いですからね。

このようなことを大事にするOSS Gateですが、継続的に実現する方法を具体的に決めるためにOSS Gate を立ち上げようというイベントを12月15日(火)の夜に開催します。この取り組みに協力してくれる方はぜひお越しください。

「興味はあるけど協力ってどうすればいいの?」と思う人がいるでしょうから例を挙げます。最初はOSS Hack 4 Beginnersと同様のワークショップを開催するのがよいのではないかという案があります。これを実現するためには次のような作業が必要になります。すでにOSSの開発に参加している人なら「これは協力できそう」と思う作業があるでしょう。

  • 参加者のフォロー

    • ワークショップの内容はOSSの開発に参加している人にとっては基本的な内容なので技術的な難易度は低い
  • 会場準備

    • 会場を探したり当日の会場設営など
  • 宣伝

    • 参加者・協力者を増やす

    • イベントページを用意する

なお、協力する理由はなんだって構いません。たとえば次のような理由でも構いません。

  • サポートすることが好きだ

  • 採用につながるかも

  • 楽しそう

  • 自分のプロジェクトの開発に参加する人が増えるかも

  • 会社の宣伝になるかも

  • 友達が増えそう

  • なんとなくよさそう

  • ユーザーが自由に使えるソフトウェアが重要であると考える人が増えるといいな(クリアコードの場合)

OSSはざっくりいうとユーザーが実行・改造・再頒布できるライセンスを設定したソフトウェアのことです。それに対してどのようなメリットを見出すかは人それぞれです。OSSはそういうものです。そのため、OSS Gateも協力する理由をどのようなところに見出すかは人それぞれで構いません。

参考となりそうな取り組み

Rails Girlsという取り組みはOSS Gateの参考になりそうな取り組みです。たとえば、参加者がその後コーチとして支援する側にまわっていそうなところは非常に興味深いです。

まとめ

残念ながらSEゼミは継続できなくなりました。しかし、SEゼミで学んだことを活かしてOSSの開発に参加する人を増やす取り組みを始めることにしました。それがOSS Gateです。

OSS Gateという取り組みに協力してくれる方はOSS Gate を立ち上げようというイベントにお越しください。この取り組みをどうやって実現していくかを決めます。12月15日(火)の夜に開催します。