屋代です。ブラウザー・メーラーおよびそれらの拡張機能のサポートを担当しています。
メール誤送信対策製品「FlexConfirmMail」に新たな警告設定が2つ追加されました。具体的には次の2つです。
- 返信の宛先に「今まで含まれていなかったドメインのアドレス」が追加された場合に警告する
- 「組織内として扱うメールアドレスのドメイン名」または「社内ドメイン」に対し、アドレス単位での指定を可能とする
追加された設定により、よりきめの細かい指定が可能となります。 上記2つの機能は、2024年8月現在最新版として提供中のThunderbird版バージョン4.2.3、Outlook版バージョン22.7より利用できます。
設定内容としては上の文言どおりなのですが、より具体的にイメージしてもらいやすくするため、この設定が追加された経緯について少し説明します。
FlexConfirmMailをお使いのお客様から、次のようなご相談があったのがきっかけでした。
開発の背景
「同姓の別人へ誤送信を防止できないか」
とご相談をいただきました。たとえば社内の佐藤さんを宛先に追加したつもりが、誤って取引先の佐藤さんのメールアドレスを追加して送信してしまったケースがあったそうです。このケースの宛先は「外部ドメイン」ではあったものの、通常の送信先の1つであったため、誤送信につながったとのことです。
打ち合わせで詳細を聞いたところ、
- ほとんどのケースで、メール返信の際に宛先(Cc、Bcc含む)を追加するところで起こっている
- オートコンプリートで誤った宛先を指定してしまうことが大半
といった事情があることがわかり、「返信時の宛先」にフォーカスした警告表示機能を開発することとなりました。
返信の宛先に「今まで含まれていなかったドメインのアドレス」が追加された場合に警告する
フィードバックをいただいて、警告表示はかなり目立つものとなっています(Thunderbird版はカスタマイズ可能です)。
Thunderbird版の警告表示
Outlook版の警告表示
「組織内として扱うメールアドレスのドメイン名」または「社内ドメイン」に対し、アドレス単位での指定を可能とする
試作版へのフィードバックで、さらに次のような要望も頂戴しました。
たとえばabc@example.com
は「組織内」、xyz@example.com
なら「組織外」といった具合に、同一ドメインでも@
以前の文字列で「組織内」(Outlook版での文言は「社内」)と組織外を区別したい。
検討した結果、指定文字列に@
を含む場合にアドレスの一致まで確認する仕様を追加し、あわせて実装しました。
具体的には「組織内として扱うメールアドレスのパターン」にabc@example.com
と指定します。この場合、example.com
ドメインのうち左記アドレスのみを「組織内」として取り扱うようになり、同じexample.comドメインであっても、ほかのアドレス(xyz@example.com
など)は「組織外」となります。
一方、指定した文字列に@
を含まない場合は、従来どおりドメイン単位での指定となります。
まとめ
FlexConfirmMailの新しい警告設定を紹介しました。
FlexConfirmMailから見ると、FlexConfirmMail(Thunderbird版)の推奨設定でも示したように、誤送信を予防するためのチェック事項はほぼ網羅したつもりでいました。しかしまだ隠れたニーズがあったことになります。
ソフトウェアを使っていて「ここ、こうだったらいいのに」「こういうのほしいんだけど」と思いながら、なんとなく我慢したままでいること、ありませんか?
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