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Thunderbirdの法人向けカスタマイズ事例紹介:起動時にパスワード認証が完了するまでUIを非表示にする

発端

クリアコードでは、FirefoxおよびThunderbirdの利用にあたってお困りのお客様について、問題を解決するお手伝いをしています。

その中で、起動時にメールのバスワードを入力し、サーバー認証が完了するまでUIを非表示にしたい、という要望がありました。

カスタマイズの方針

「起動時にメールのバスワードを入力し、サーバー認証が完了するまでUIを非表示にしたい」

この要望には以下の二つの実現したいカスタマイズが含まれている事が分かります。

  • 起動時のメールアカウントのパスワード入力
  • メールアカウントのサーバー認証が完了するまでUIを非表示にする

要望の1つ目は「メールアカウントのパスワードを保持させない」と読み替えるとクリアコードで開発したアドオン donotsavepassword により実現できます。

要望の2つ目を実現するアドオンについては、要望を伺った時点ではクリアコードの開発したアドオンの中で要件を満たせるものが無かったため、新規に開発する必要がありました。

Thunderbirdのアカウントの種類

アドオンの紹介に入る前に少しThunderbirdのメールアカウントについて見てみましょう。 ThunderbirdではIMAP、POP3の他、メールアカウントを一つでも作成した場合に自動的に作成されるローカルフォルダアカウントがあります。 このアカウントがIMAP、POP3のどのアカウントでもない為、認証を求める対象から外す必要があります。 認証対象となるのはIMAPとPOP3アカウントです。

今回作成したアドオンはIMAPとPOP3のメールアカウントの両方でのメールアカウントのサーバー認証前のUI非表示化に対応しています。

作成したアドオン

force-auth-at-startupという名前のThunderbird用のアドオンです。 GitHubのクリアコードのリポジトリの tb-force-auth-at-startup にてMPL 2.0のライセンスで公開しています。

このアドオンは法人利用を想定しています。

利用方法

このアドオンはMCD(設定集中管理用ファイル)を使用していません。インストールするだけで起動時にメールアカウントのサーバー認証が未完了だった場合にUI非表示とメールアカウントの認証を要求します。

想定される利用方法

このアドオン単体ではメールアカウントのパスワードが保存されている状態では起動時にすぐにUIが表示されてしまいます。 カスタマイズ事例にある通り、クリアコードの開発したアドオンの中でパスワードを保存させない donotsavepassword と組み合わせて使用するとカスタマイズの効果を最大限発揮できるのではないでしょうか。

まとめ

Thunderbirdの法人向けカスタマイズ事例を紹介しました。

クリアコードでは開発するアドオン一つにつき一つの機能を原則として開発しています。そのため、実現したいカスタマイズを実現するにあたり、複数のアドオンを組み合わせてカスタマイズをする事があります。また、時には既存のアドオンと新規開発のアドオンを組み合わせてカスタマイズをする事もあります。

FirefoxやThunderbirdの導入やカスタマイズでお困りで、自力での解決が難しいという場合には、有償サポート窓口までぜひ一度ご相談下さい。