他のチームの知見を活かす - 2019-11-12 - ククログ

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他のチームの知見を活かす

はじめに

弊社では複数のチームがあり、それぞれのチームで日々案件をこなしています。 今回、あるチームで課題を解決した方法を別のチームでも使える可能性があるのでは?ということで、チーム間の情報共有を行う取り組みを始めました。

チーム間の情報共有がなされにくいという課題

弊社は、それぞれのチームで案件が独立しているため、チーム間で情報を交換する必要性をあまり感じません。各案件についての背景知識がないと課題解決できないと考えがちなためです。そのため、現状では、チーム間の情報共有はとても少ないです。

しかしながら、案件によらず、どのチームにも共通する課題は存在します。あるチームで解決した課題と同じような課題で、別のチームが悩んでいるということがありえるのです。

他のチームから知見を得る機会を作ってみた

これは、非常にもったいないので他のチームの知見を取り入れられないかと考えました。

チームミーティングへの参加

チーム内にどんな課題があって、それをどうやって解決しているかは、チーム内で情報を共有する場で話題になることなので、まず、手始めに、各チームの情報共有の場に参加することで、他のチームでは、どうやって問題解決しているのかなど、自分のチームにはない知見を探すことにしました。

チームはそれぞれ、定期的にチーム内でミーティングを実施しています。そこでは、チームの現状や課題等が共有されるはずです。この場に参加することで、情報を収集しようと考えました。

今回は、Mozillaのサポートをしているチーム(以下、Mozillaチームと呼びます)のミーティングへ参加しました。

Mozillaチームのミーティングのやり方

Mozillaチームのミーティングでは、現在動いている案件がどんな状況か、また、新しく来た案件はどれで、誰がどう進めるかなどについて各々がどう理解しているかが共有されていました。 これは、個々人のタスク管理力を過信してチェックをしなかった場合に、漏れが発生した時のダメージが大きくなるので、早めにリカバリーできるようにすることを優先しているためです。

このようにすると、情報を同期する時間を取らないといけないので効率は若干落ちますが、そのコストよりもタスク漏れによる対応にかかるコストの方が大きいと判断して、情報の同期する時間を設けているとのことでした。

Groongaチームの現状

私は、全文検索エンジンGroongaの開発、サポートを行うチーム(以下、Groongaチームと呼びます)に属しています。 Groongaチームでも、現状の案件の状況を把握し、新しい案件は担当を決めて進めていますが、各々が確認した内容をチーム間で共有はしていませんでした。

Groongaチームは全員別々の場所で働いているので、普段は顔を合わすことがありません。 やり取りは、チャット上(Zulipという自由なソフトウェアを使っています!)かRedmineのチケット上でやり取りしていて、チャットとチケットを確認してタスク漏れがないかを各自で判断しています。

Groongaチームはこまめに情報共有するというスタンスで作業しているため、基本的にまとまった時間をとって情報共有をしません。Groongaチームの作業は、GitHub、GitLab、Gitter、メール、Redmineのチケット等、様々な入り口から問合せがあり状況が刻々と変わっていくので、まとまった時間を取るより、各作業についてこまめに情報共有するほうが効率が良いためです。

ただ、この方法では、タスクを網羅しているかどうかを確認できません。 そのため、自分が気がついていない案件を見落とすということが起きてしまいますし、作業に集中しすぎて、こまめな情報共有をおろそかにすると、自分の理解が誤っていて、間違った作業や非効率的な作業をしてしまうことがあります。

他のチームの知見を活かすポイントの発見

このように効率が良いと思って、こまめに情報共有するスタイルにしていましたが、それだけでは不十分なのではないかと感じました。案件を見落としてしまうと、そのリカバリーのために多くの時間が必要になるので、結局効率を落としてしまいます。

Mozillaチームでは、各々自分が理解したことをまとまった時間を取って共有することで、その時点で、抜け、漏れ、誤りを指摘、修正できているので、GroongaチームもMozillaチームに倣って、まとまって情報を共有する時間が必要だと考えました。

別のチームの知見を活かすポイントを見つけられたのです。

まとめ

他のチームの知見を得るために、別のチームのミーティングに参加する取り組みを実行し、その内容を紹介しました。 実行した結果、自分のチームには無かった知見を得ることができました。

チーム間の情報共有があまり行われずに悩んでいる方は、他のチームのミーティングに混ざってみると、今回のようにミーティングのやり方等から意外な知見がえられるかもしれません。