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LTS版 Fluent Package v5.0.7をリリース

2025年5月16日にFluent PackageのLTSの最新版となるv5.0.7をリリースしました。

本リリースでは、パッケージでいくつかの改善が行われています。

本記事ではFluent Packageの変更内容について紹介します。

Fluent Package v5.0.7

2025年5月16日にFluent PackageのLTSの最新版となるv5.0.7をリリースしました。

Fluent Package v5.0.7では以下の改善が行われています。

  • Rubyのバージョンを3.2.8にアップデート
  • 同梱のFluentdをv1.16.7からv1.16.9に更新
  • 同梱のopenssl gemをv3.3.0に更新
  • fluent-plugin-elasticsearchのメモリリークを解消

この記事では、Fluent Package v5.0.7の主な変更点を詳しく解説します。

変更内容の詳細

Rubyのバージョンを3.2.8にアップデート

Ruby 3.2.8には複数のバグ修正が含まれています。詳細はRuby 3.2.8 リリースノート をご覧ください。

同梱のFluentdをv1.16.7からv1.16.9に更新

v1.16.8とv1.16.9の変更点を説明します。

Fluentd v1.16.8 の変更点
  • Windows: Supervisorプロセスが停止したときに、サービスが停止しない不具合を修正

    • 設定エラーなどでSupervisorプロセスが停止した際に、 サービスが実行され続ける不具合を修正しました。サービスが正しく停止するようになり、設定エラー時の異常検知が容易になりました。
  • formatter_csvプラグイン: メモリリークを修正

    • パフォーマンス改善のためにformatter_csvプラグインでキャッシュが導入されていましたが、不適切にスレッドをキャッシュしていました。in_execプラグインではログを取り込むたびにスレッドを生成しているのですが、formatter_csvプラグインと組み合わせて利用すると、すべてのスレッドがformatter_csvプラグインでキャッシュされ、メモリリークを引き起こしていました。
Fluentd v1.16.9 の変更点
  • Windows: サービスが誤って停止する不具合を修正
    • Fluentd v1.16.8で「Supervisorプロセスが停止したときに、サービスが停止しない不具合」を対応しましたが修正に誤りがあり、Fluentdが正常に起動したあとでサービスが停止してしまっていました。Fluentd v1.16.8の不具合を修正し、Windows でサービスが適切に起動・停止するようになりました。

同梱のopenssl gemをv3.3.0に更新

セキュリティ要件に関する米国連邦標準規格としてFIPSというものがあります。 この要件を満たすためにOpenSSLでFIPSに関する機能を有効にしたあと、古い openssl gem を使用するとエラーが起きていました。

FIPSに対応できるように、最新のopenssl gemを同梱するようにしました。

fluent-plugin-elasticsearchのメモリリークを解消

fluent-plugin-elasticsearch v5.2.3 以降を利用していると、fluent-plugin-elasticsearchとElasticsearch間のやりとりで頻繁にエラーが起きるとメモリリークが発生していました。 この問題はfluent-plugin-elasticsearch v5.4.4で対応され、このバージョンを同梱するようにしました。

関連リンク

まとめ

今回は、Fluentdの最新パッケージFluent Package v5.0.7の情報をお届けしました。

このバージョンではformatter_csvプラグインとfluent-plugin-elasticsearchのメモリリークが解消され、 より安定してFluentdが稼働するようになりました。

最新版のFluent Packageへのアップデートを推奨します。

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