ククログ(4)

Thunderbirdで「マスターパスワードを使用する」設定が強制適用されない事象と、修正までの回避策

屋代です。

Mozilla Thunderbirdをお使いのお客様から、次のような問い合わせがありました。

  1. Thunderbirdにマスターパスワード1を強制的に適用する設定を導入したい
  2. インストールディレクトリC:\Program Files\Mozilla Thunderbird配下にdistributionディレクトリを作成しpolicies.jsonを配置した
  3. policies.json"PrimaryPassword":trueと記載したが、マスターパスワードが無効化できてしまう

調査したところ、Thunderbirdの不具合と判明しました。

  1. 「マスターパスワード」の名称は英語版Thunderbirdでは「Primary Password」に変更されています Primary Password is replacing Master Password in Thunderbird (support.mozilla.org)。 当記事では日本語UIの文言にならい「マスターパスワード」を使用します。

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Thunderbird 128.11以降でファイル共有サーバー上のemlファイルを開けない問題の回避方法とその背景

当社の法人向けThunderbirdサポートサービスにおいて、「ファイル共有サーバー上に置かれたemlファイル1をThunderbirdで閲覧しようとした場合に本文が表示されない」というトラブルのお問い合わせを頂きました。 お客様によると、この問題はThunderbird 128.10.1で発生し、128.10.2で一度は解消されたものの、128.11.1に更新したら再発し始めたとのことでした。

本記事では、この問題の回避方法と、問題が発生するようになった経緯および今後の見通しを詳しくご紹介します。

  1. 単体のメールをファイルとして保存したときの形式。

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Firefoxの「安全でないダウンロードの遮断」機能の回避手順と実装の背景、および調査対応のポストモーテム

WebブラウザーのFirefoxには、ユーザー保護の一環として「安全でないダウンロードを積極的に遮断する」機能があります。 「安全でないダウンロード」とは具体的には、HTTPSで接続しているWebページからHTTPのURLで参照してファイルをダウンロードしようとした場合を指します1。 通常の利用では安全性が高まって望ましい動作なのですが、法人運用で業務が依存しているWebサイト2がHTTPSではなくHTTPでの接続になっている場合、この機能の影響によってファイルのダウンロードができなくなり業務に支障をきたす場合があります。

この動作について、約1年前のFirefox 125(125.0.1)のリリースからしばらくの間、機能が強化されたり、緩和されたり、再度強化し直されたり、という不安定な状況が発生していました。 また、「特定のドメインでのみ安全でないダウンロードを許可する」ということもできず、機能を恒久的に無効化する以外の選択肢がないために、前述のような状況が発生した企業での運用には注意が必要でした。 その後、関係するポリシー設定がいくつか追加もされました。 こういった諸々の事があった結果、結局この機能は何だったのか、どうすれば制限を回避できるのか、ということが分かりにくくなってしまっています。

本記事では、お問い合わせに基づき当社で行った調査の範囲で、業務利用でこの機能の影響を受けないようにするための正しい解決あるいは回避の方法と、この機能が辿った変遷、および、それらを明らかにするまでに行った調査の過程とそこに見られた課題をご紹介します。

  1. 元の通信よりも安全性が下がり、接続の安全性を担保できないため。

  2. 社内システム用の自社ホストなど。

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Thunderbirdの障害発生時の調査資料採取手順(Windows篇)

はじめに

クリアコードはThunderbirdのサポートサービスを提供していますが、その一環でThunderbirdの障害の調査を実施することがあります。

調査のために収集が必要な情報は、発生した障害の内容によって様々ですが、当社のサポートサービスのお客様からのお問い合わせでは、SMTP・POP3・IMAPでのメール送受信時と、フォルダーの最適化実行時、およびGUIのカスタマイズに関するトラブルのお問い合わせが多い傾向があります。

この記事では、これらに類するトラブルの発生時に原因究明のためによく採取を依頼する情報について、一通り採取する手順をご紹介します。

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Fluent Package v6 LTS へのアップデート手順

2025年8月29日に、Fluentdの安定版パッケージの新シリーズである、Fluent Package v6 LTSをリリースします。

本記事では、Fluent Package v6 LTSへのアップデート方法について紹介します。

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Fluentdの安定版パッケージ新シリーズ Fluent Package v6 LTS リリース - 運用コスト・ランニングコスト削減

2025年8月29日に、Fluentdの安定版パッケージの新シリーズである、Fluent Package v6 LTSをリリースします。

現在の安定版パッケージであるFluent Package v5 LTSシリーズは、今年2025年末でサポート終了となります。 本リリースはその次期シリーズであり、2027年末までサポートされます。

また本リリースでは、ゼロダウンタイム・アップデート/リスタート機能、リカバリーの簡易化、パフォーマンス改善など、運用コストやランニングコストを削減する機能改善を多数実施しています。 v5 LTSシリーズは2025年末でサポート終了となりますので、それまでにぜひアップデートしてください!

本記事では、Fluentd開発者が最新のリリース内容を紹介します。

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Active Record ADBC adapter - ADBCで大量データを高速移動!Ruby on RailsアプリからDuckDBも使えるよ!

Ruby用のデータ処理ツールを提供するプロジェクトRed Data Toolsをやっている須藤です。

数年前からRuby on RailsアプリケーションでADBCを使えるとよさそうだなぁと思っていた(証拠1証拠2)のですが、ついにそれが動くようになったのでactiverecord-adbc-adapterとしてリリースしました。

ADBCとはArrow Database Connectivityの略で、Apache Arrowを使ってDBと高速に大量データをやりとりするための仕組みです。Active RecordでADBCを使えるようになると、Ruby on Railsアプリケーションでの大量データのやりとりが速くなります。また、Active Record経由でDuckDBも使えるようになります。DuckDBもADBCをサポートしているからです。

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Rabbit 4.0.0 - ついにGTK 4に対応!

Rubyist用プレゼンテーションツールRabbitを開発している須藤です。

GTK 4に対応したRabbitをリリースしたので自慢します。GTK 4に対応したのでバージョンを4.0.0にしています。メジャーバージョンアップですが、大きな非互換はないはず。だれも使っていなそうな機能が消えたくらい。

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Fluentd v1.19.0 リリース - 運用コスト削減

2025年7月30日にFluentdの最新版となるv1.19.0をリリースしました。

本リリースでは、多くの機能追加や不具合修正をしています。 特に、運用コストとランニングコスト削減に効果のある機能や安定性向上の強化を複数実施しています。

本記事では、Fluentd開発者が最新のリリース内容を紹介します。

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ブラウザーの拡張機能でコンテンツ内に安全に情報を埋め込む方法のベストプラクティスとバッドプラクティス

Firefoxの拡張機能開発で育ち、今はChrome/EdgeなどのChromium系ブラウザー向け拡張機能も開発している結城です。

これらのブラウザー向け拡張機能では、拡張機能が能動的にUIを表示する方法が限られています1。能動的に任意の位置にUIを表示したい場合、windows.create()でウィンドウを開くか、コンテントスクリプトを使ってコンテンツ内にUIを埋め込むかのどちらかの方法を取る必要があります。 この記事では、後者の「コンテンツ内にUIを埋め込む」やり方について、現時点でのベストプラクティスと、それ以外の方法の問題点を紹介します。

最初に結論だけ述べると、mode:'closed'Shadow DOMを使い、画像などは拡張機能のパッケージ内に含めておくのが現状でのベストで、それ以外の方法は全てセキュリティまたはプライバシー保護の点で問題があります

  1. 拡張機能向けのAPIでは「デスクトップ通知」「(ツールバーボタンのクリック操作で開かれる)ポップアップ」「サイドバー(Firefox)」「サイドパネル(Chrome、Edge)」など拡張機能がUIを提供できる機能がいくつかありますが、ユーザー操作に対するイベントリスナーの中で直接的に呼び出した場合しか機能しなかったり、表示できるUIの形状が固定されていたりといった制限があります。

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