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LTS版 Fluent Package v5.0.8をリリース

2025年10月8日にLTS版 Fluent Package v5.0.8をリリースしました。

本記事では、Fluent Package v5.0.8の変更内容を紹介します。

Fluent Package v5.0.8

Fluent Package v5.0.8では、以下の改善を行いました。

  • Rubyのバージョンを3.2.9にアップデート
  • 同梱のFluentdをv1.16.9からv1.16.10に更新
  • tmpfiles.dによってFluentdの一時ディレクトリーが消去されてしまう問題を修正
  • 脆弱性対応のため同梱の Nokogiri (Windows版のみ) と rexml を更新

この記事では、Fluent Package v5.0.8の主な変更点を詳しく解説します。

変更内容の詳細

Rubyのバージョンを3.2.9にアップデート

Ruby 3.2.9には複数の脆弱性とバグの修正が含まれています。詳細はRuby 3.2.9 リリースノート をご覧ください。

同梱のFluentdをv1.16.9からv1.16.10に更新

Fluentd v1.16.10では以下の修正が含まれています。

  • serverプラグインヘルパー: Fluentd終了時にすべてのコネクションを適切にクローズするように修正
    • flush_at_shutdownを有効に設定すると、出力に失敗しない限りはバッファーをすべて出力してから停止するべきですが、バッファーファイルが残ったまま停止することがありました。残ったバッファーファイルは次回起動時に読み込まれます。

tmpfiles.dによってFluentdの一時ディレクトリーが消去されてしまう問題を修正

一部のLinuxディストリビューションでは、以下のようにtmpfiles.dが設定されており、一時ディレクトリー/tmp内のファイルやディレクトリが10日以上使用されない状態が続くと削除されるようになっています。

q /tmp 1777 root root 10d

out_fileout_secondary_fileで出力するときに一時ディレクトリー/tmp/fluentd-lock-{...}/を利用していますが、 out_fileまたはout_secondary_fileでの出力が行われない状態が続くと/tmp/fluentd-lock-{...}/がtmpfiles.dによって削除される場合がありました。

/tmp/fluentd-lock-{...}/がFluentdの稼働中に削除されると、out_fileout_secondary_fileの出力で次のようなエラーが継続的に発生する状態になります。

2025-09-11 14:33:29 +0900 [warn]: #2 failed to flush the buffer. retry_times=0 next_retry_time=2025-09-11 14:33:30 +0900 chunk="63e7fdca888e679a6fcdefb0c120bf58" error_class=Errno::ENOENT error="No such file or directory @ rb_sysopen - /tmp/fluentd-lock-20250911-1545462-74fvkh/fluentd-foo.lock"

通常は定期的に何らかの出力が行われるため、このエラーが発生する状態になることは稀なケースであると思いますが、もしこのエラーが発生した場合には、リトライ回数の上限になるまでに Fluentd を再起動すれば復旧します。

本リリースでは、/usr/lib/tmpfiles.d/fluentd.confにルールを追加し、/tmp/fluentd-lock-{...}/が自動削除の対象外となるようにしました。

脆弱性対応のため同梱の Nokogiri (Windows版のみ) と rexml を更新

Windows版に同梱している Nokogiri をv1.16.8からv1.18.10に更新しました。以下の脆弱性が対応されます。

rexml はv3.3.9からv3.4.4に更新しました。以下の脆弱性が対応されます。

関連リンク

まとめ

今回は、Fluent Package v5.0.8のリリース情報をお届けしました。 本リリースでは、長期運用環境での安定稼働を支える修正を実施しました。

Fluent Package v5 LTSは2025年末までサポートを予定しています。 スケジュールの詳細については公式サイトをご確認ください。

ユーザーの皆さまには、 Fluent Package v6 LTSへのアップデートもご検討くださると幸いです。

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